【須磨学園中学】過去問解説 2022年度 算数 第2回

西宮の家庭教師ダイアログによる過去問解説。今回は須磨学園中学校の過去問です。

1 計算問題

解説は省略します。

2 小問集合

解説は省略します。

3 図形が通ったあとの面積

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

「図形の通ったあとの面積」の問題です。(2)(3)は、半径が分からなくても半径×半径を出すことで円の面積が計算できるパターンの問題です。このパターンは頻出なので、解き方があいまいな人はしっかり練習しておきましょう。

(1)難易度:★☆☆☆☆

斜線部分は平行四辺形で、底辺20cm、高さはBO(円ロボットの半径)なので、その面積は、

 20×10=200[㎠]

(2)難易度:★★★☆☆

吸引口ABがOを中心に回転すると、その通ったあとは下図のようなドーナツ型(大きな円から小さな円が取り除かれた形)となります。

大きな円の半径は10cm。

小さな円の半径は点OからABに下した垂線の長さとなります。ただ、この半径は長さが分かりませんので、仮にRとします。

ここで、直角二等辺三角形ABOの面積は、

 三角形ABO=R×(R×2)÷2=R×R

 三角形ABO=AO×BO÷2=50

と二通りにあらわされることから、R×R=50だと分かります。

よって、吸引口ABが通ったあとの面積は、

 10×10×3.14-R×R×3.14

=(100-50)×3.14

157[㎠]

(3)難易度:★★★☆☆

点Cを中心に吸引口ABをA’B’まで回転させると、その通ったあとは、下図のようになります。

通ったあとの面積は、

(三角形ABC+おうぎ形AA’C)-(三角形A’B’C+おうぎ形BB’C)

= おうぎ形AA’C-おうぎ形BB’C

=AC×AC×3.14× \frac{90}{360} -BC×BC×3.14× \frac{90}{360}

\frac{(AC×AC-BC×BC)×3.14}{4}

(AC=AO×2=20、BC=R×2なので、)

 \frac{{20×20-(R×2)×(R×2)}×3.14}{4}

\frac{(400-R×R×4)×3.14}{4}

\frac{200×3.14}{4}

157[㎠]

 

4 倍数と規則性

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

「倍数と規則性」についての問題です。(4)を素早く解くには「平均を使ってあたりをつける」というテクニックが使えます。少し高レベルなワザですが、余裕のある人はマスターしましょう。

(1)難易度:★☆☆☆☆

先生以外の4人全員が折り鶴を折るのは、日付が2、3、4、5の公倍数となる日です。

初めての日は、最小公倍数を考えればよいから、60日目となります。

(2)難易度:★★★☆☆

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

(2)(3)は設問の文章がやや不適切ですね。

「折り紙を折り始めて 〇〇日目に」を「折り紙を折り始めて〇〇日目までに」と読み替えて解きます。

先生は誰も生徒が折らない日に折るので、その日数を求めるには、全体の120日から生徒が少なくとも1人折った日を引けばよいことになります。

まず、1~120の中で、2、3、4、5それぞれの倍数を数えていきます。

 2の倍数:120÷2=60[日]

 3の倍数:120÷3=40[日]

 4の倍数:120÷4=30[日]

 5の倍数:120÷5=24[日]

ただし、2人以上が重複して折る日もあります。べん図を使って考えてみましょう。

こうして見ると、4の倍数は2の倍数に含まれるので、この問題では考えなくてよいことが分かります。

円の重なる部分、つまり6の倍数、10の倍数、15の倍数および30の倍数について数えていくと、

 6の倍数:120÷6=20

 10の倍数:120÷10=12

 15の倍数:120÷15=8

 30の倍数:120÷30=4

となります。2、3、5いずれかの倍数である数の個数を計算すると、

{(2の倍数)+(3の倍数)+(5の倍数)}ー{(6の倍数)+(10の倍数)+(15の倍数)}+(30の倍数)

=60+40+24-(20+12+8)+4=88

となりますから、2、3、5いずれの倍数でもない数は、

 120-88=32

となり、先生が折り紙を折った日数は32日であることが分かります。

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

上の式で、なぜ「30の倍数」の数を足すのか考えてみましょう。

まず、 2の倍数、3の倍数、5の倍数の数を足します。このとき数える回数をべん図にあらわすと下図のようになります。

真ん中の部分は3回数えていることがわかります。

次に、6の倍数、10の倍数、15の倍数の数を足すと、数える回数は下図のようになります。

ここでも、真ん中の部分は3回数えられていますね。

重複をなくすため、上記2つの差をとると下図のようになります。真ん中の部分は③-③で差し引きゼロとなり、一度も数えられていない状態になってしまいます。

だから、2、3、5いずれかの倍数の数をまんべんなく1回ずつ数えるには、最後に真ん中の「30の倍数」の数を足す必要があるんですね。

(3)難易度:★★★☆☆

まず、1~60日目までに、Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、それぞれが折り紙を折った日数×3で折った折り紙の数を計算していきます。

 Aさん:(60÷2)×3=90

 Bさん:(60÷3)×3=60

 Cさん:(60÷4)×3=45

 Dさん:(60÷5)×3=36

次に先生について考えます。(2)より、先生は120日目までに32日折り紙を折ります。また、この5人で折り紙を折るサイクルは、2、3、4、5の最小公倍数である60日を1サイクルとして回っています。

以上のことから、先生は60日目までに32日の半分、16日折り鶴を折り、1日あたり5枚折ることから計80羽折ることが分かります。

よって、 60日目までに、5人全員で折った鶴の合計は、

 90+60+45+36+80= 311[羽]

(4)難易度:★★★★☆

このような問題は、〇日くらいだろうという「あたり」をつけることで素早く解けます。

さて(3)より、この5人は1サイクル60日ごとに311羽折るので、平均すると1日、\frac{311}{60}羽をみんなで折ることになります。

毎日同じように \frac{311}{60}羽ずつ折ると仮定すると、1000羽折るのにかかる日数は、

 1000÷ \frac{311}{60}\frac{60000}{311} =192\frac{288}{311} [日]

で、約193日と計算できます。もちろん、これは平均をつかった概算値なのでですが、実際に1000羽を超える日も、この付近にあるはずです(このような考え方を「あたりをつける」といいます)。

そこで、193日目までに実際には5人で何羽折っているか、正確な数を計算してみましょう。

 A:193÷2=96あまり1 96×3=288[羽]

 B:193÷3=64あまり1 64×3=192[羽]

 C:193÷4=48あまり1 48×3=144[羽]

 D:193÷5=38あまり3 38×3=114[羽]

先生は、180日で60日間を3サイクル行って80×3=240羽折っています。その後、2、3、4、5いずれの倍数日でもない181日目、187日目、191日目、193日目に5羽ずつ折っていますから、193日目までに260羽折っていることになります。

よって、193日目までに5人が折っている折り鶴の数は、

 288+192+144+114+260=998[羽]

となります。かなり1000羽に近いですね。あと2羽なので、1日進めてみましょう。

194日目は、2の倍数日なので、Aさんが3羽折って、累計1001羽。

よって、1000羽を超えるのは194日目です。

5 準備中

現在準備中です。

 

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