西宮の家庭教師ダイアログによる過去問解説。今回は須磨学園中学校の過去問です。
もくじ
1 計算問題
解説は省略します。
2 小問集合
解説は省略します。
3 使える数字の限られた数列
「使える数字の限られた数列」についての問題です。(1)(3)(4)は4けたの数と1~3けたの数を分けて考えることでスッキリと解けるでしょう。
(1)難易度:★☆☆☆☆
まず1~3けたの数について考えます。
1~3けたの数は一の位、十の位、百の位に0、2、5の3つの数字を入れてできる数字の組み合わせなので(5は「005」、20は「020」という感じで対応させます)その個数は、
3×3×3=27(個)
また、2020までの4けたの数字を小さい順に並べると、
2000、2002、2005、2020
となるので、2020は27+4=31番目となります。
(2)難易度:★★★☆☆
1けたの数で、0を含む数は0のみです。
2けたの数で、0を含む数は20と50の2つです。
3けたの数で、0を含む数は200、202、205、220、250、500、502、505、520、550の10個です。
4けたの数は、4つ全て0を含みます。
よって、2020までの0を含む数の個数は、
1+2+10+4=17(個)
(3)難易度:★★☆☆☆
まず1~3けたの数について考えます。
百の位に2が出現する回数は、一の位と十の位の組み合わせの数に等しいので、
3×3=9(回)
同じように考えると、十の位に2が出現する回数も、一の位に2が出現する回数も9回であることが分かります。
よって、1~3けたの数について2が出現する回数は、
9+9+9=27(回)
4けたの数については、
2000、2002、2005、2020
の6回なので、2020までに2の出現する回数は、
27+6=33(回)
(4)難易度:★★★☆☆
これも、まず1~3けたの数について考えます。
(3)の考え方を使うと、次のことが分かります。
・百の位に2が出現する回数→9回
・十の位に2が出現する回数→9回
・一の位に2が出現する回数→9回
・百の位に5が出現する回数→9回
・十の位に5が出現する回数→9回
・一の位に5が出現する回数→9回
よって、1~3けたの数の和は、以下のように計算できます。
200×9+20×9+2×9+500×9+50×9+5×9
=(200+20+2+500+50+5)×9
=777×9
=6993
これに4けたの数を加えると、
6993+2000+2002+2005+2020=15020
4 容器と水面の高さ
「容器と水面の高さ」についての問題です。このタイプの問題としては難易度は易~標準です。
(1)難易度:★★☆☆☆
水の入っていない部分の体積を利用して考えます。
図2から、辺AFから水面までの長さは10-6=4cmなので、水の入っていない部分の体積は、4×10×10=400㎤
図3から、辺EDから水面までの長さは10ー5=5cmで、辺EDの長さは□cmと等しいので、水の入っていない部分の体積を計算すると、
□×5×10=400㎤
なので、□=400÷(5×10)=8(cm)
(2)難易度:★☆☆☆☆
図2の斜線部を底面積として、高さが10cmの柱体の体積を計算します。
(6×10+8×14)×10=1720(㎤)
(3)難易度:★★☆☆☆
水の体積と水の入っていない部分の体積の比は、
1720:400=43:10
よって、ABCDEFを底面としたとき、 水面の高さと体積と水の入っていない部分の高さの比も43:10となります。よって、このときの水面の高さは、
10×\frac{43}{43+10}=\frac{430}{53}(cm)
(4)難易度:★★★☆☆
(1)より、水の入っていない部分の体積が400㎤、つまり底面積の白い部分が40㎠となるものを選べば良いことになります。
まず、下図の黄色の三角形は直角二等辺三角形ですので、この容器は45°傾いて置かれていることになります。よって水の入っていない部分の三角形も、すべて直角二等辺三角形であることが分かります。
(イ)の状態では、2つの白い三角形の面積の和は、
8×8× \frac{1}{2}+6×6×\frac{1}{2}=50(㎠)
なので、広すぎます。よって(イ)よりも水面は上であることが分かります。
(エ)の状態では、少なくとも水は点Bまできているので、白い直角三角形の直角をはさむ一辺の長さは2cm以下であることが分かります。上図のように水面の高さがちょうど点Bの高さと同じ場合、白い三角形の面積は、
2×2×\frac{1}{2}=2(㎠)
となり、せますぎます。よって、水面は点Bよりも下であり、白い三角形は2つになることが分かります。
以上より、(ウ)が適切であると分かります。
5 時間帯によって変化する速度
「時間帯によって変化する速度」の問題です。(4)だけ、ずば抜けて難易度が高く、計算量も多いです。残り時間にもよりますが、(1)~(3)を確実に解答して(4)はあきらめ、他の問題の見直しに時間をあてるのが得策といえるでしょう。
(1)難易度:★☆☆☆☆
10時~11時、11時~12時、12時~13時、13時~13時40分の間にそれぞれどれだけの距離を移動したのかを求め、足していきます。
8+10+12+15×\frac{40}{60}=40(km)
(2)難易度:★★☆☆☆
速度の大きい時間帯を優先的に使うことを考えます。
速度が一番大きいのは、14時~15時で18km/時、二番目が13時~14時で15km/時となっているので、この2時間で18+15=33km移動します。
残りの7kmは隣接する時間帯の12時~13時か、15時~16時で移動するのですが、より速度の大きい15時~16時で移動することを選びます。
7÷14=0.5(時間)→30(分)
なので、移動時間は合計2時間30分となります。
(3)難易度:★★☆☆☆
PとQが11時にP地点を出発しQ地点に向かった場合の各時点におけるP地点からの距離を表にすると以下の通りです。
時刻 | 11時 | 12時 | 13時 | 14時 | 15時 |
AP間の距離 (km) | 0 | 10 | 22 | 37 | 40 (Q) |
BP間の距離 (km) | 0 | 15 | 28 | 38 | 40 (Q) |
これを見ると、AがBに追いつくとすれば14時~15時の間であることが分かります。
14時の時点で、AはBの1km後ろから追いかけていることになりますから、追い付くまでにかかる時間は、
1÷(18-7)=\frac{1}{11}(時間)
このとき、AとP地点の間の距離は、
37+18×\frac{1}{11}=38\frac{7}{11}(km)
(4)難易度:★★★★★
(3)より、11時~14時の間移動すると、Aは37km、Bは38km移動することが分かります。
よって、Aは残り3km、Bは残り2kmを移動します。
11時に同時にP地点を出発し、Aが残りの3kmを14時~15時の間で移動するとすると、
3÷18=\frac{10}{60}(時間)→10(分)
かかります。
このとき、BとP地点の距離は、
38+7×\frac{10}{60}=39\frac{1}{6}(km)
なので、この時点でBはQ地点まであと\frac{5}{6}kmのところにいることが分かります。
ここで、仮にAが11時よりも1分早く出発することを考えます。すると、14時~15時の間の移動時間は、1×\frac{8}{18}=\frac{4}{9}分減少します。
このとき、Bの移動距離がどのように変化するかを考えます。 10時~11時の間の移動時間が1分増加し、14時~15時の間で移動する時間が\frac{4}{9}分減少するから、
増加:17×\frac{1}{60}=\frac{17}{60}(km)
減少:7×\frac{4}{9}÷60= \frac{7}{135}(km)
よって、以下の距離だけ、Bの移動距離は増加します。
\frac{17}{60}-\frac{7}{135}= \frac{153-28}{540}=\frac{25}{108}(km)
つまり、11時から出発を1分早めると、AがQ地点に到着するまでのBの移動距離は、\frac{25}{108}km増加し、そのぶん、その時点でのAB間の距離が縮むということです。このように出発時間を変化させて\frac{5}{6}kmの差がなくなるとき、BはAと同時にQ地点に到着することになります。
よって、
\frac{5}{6}÷\frac{25}{108}=\frac{18}{5}=3\frac{3}{5}(分)
だけ出発を早めればよいことになります。
よって、出発時間は、
11時-3\frac{3}{5}分=10時56\frac{2}{5}分