【夙川中学過去問解説】2021年度 理科 第3回

西宮の家庭教師ダイアログによる過去問解説。今回は夙川中学校の過去問です。

1 電気回路

電気回路に関する問題です。立体の展開図と組み合わせた面白い問題も含まれています。全体的にみて標準的なレベルの問題になっています。

問1 難易度:★☆☆☆☆

電流は、電池の+側から導線を通って-側に入っていきます。よって、電流の方向は(い)です。

問2 難易度:★★☆☆☆

・電池2個を直列につなぐ → 電流2倍
・電池2個を並列につなぐ → 電流1倍
・電球2個を直列につなぐ → 電流\frac{1}{2}
・電池2個を並列につなぐ → 電流1倍

このルールで電流の大きさを計算すると、
ア → 1× \frac{1}{2}\frac{1}{2}(倍)
イ → 1×1=1(倍)
ウ → 1×2×1=2(倍)
エ → 1×2× \frac{1}{2} =1(倍)

問3 難易度:★★☆☆☆

オの電球をはずすと、回路が途中で切れてしまうので、エの電球は消えてしまいます。

問4 難易度:★★★☆☆

(図4)の展開図を組み立てたときにつながる導線をつなぐと、下図のようになります。

このように見ると「電球2個ずつの直列つなぎ」が並列につながれていることが分かります。よって、➃の回路と同じですね。

問5 難易度:★★★☆☆

➃の電球1個あたり流れる電流の大きさを計算すると、電池が3個直列つなぎで、「電球2個ずつの直列つなぎ」が並列につながれているので、

1×3× \frac{1}{2} ×1= \frac{3}{2}(倍)

カの電球をはずすと、残った1個の電球は回路の外になり電流が流れません。よって、3個直列つなぎの電池に電球2個を直列つなぎにしている回路と同じになります。よって、明るさは、

1×3× \frac{1}{2}\frac{3}{2}(倍)

なので、明るさは変わりません。

 

2 水よう液の性質

水よう液の性質に関する問題です。問題のレベルは基礎~標準、問7の記述問題は少し発展的な知識を問う問題ですね。

問1 難易度:★★☆☆☆

【実験1】 で「Aの水よう液は赤色リトマス紙を青色に変化させました」とあります。これはアルカリ性の水よう液の性質ですね。

候補はうすい塩酸、アンモニア水、食塩水、砂糖水、炭酸水ですが、この中でアルカリ性なのはアンモニア水だけですね。

問2 難易度:★★☆☆☆

【実験1】で「B、Cの水よう液は青色リトマス紙を赤色に変化させました」とあります。 よって、Bは酸性の水よう液であり、うすい塩酸か炭酸水のどちらかということになります。

また【実験2】で「Bの水よう液ではアルミニウムはあわを出してとけましたが、Cの水よう液ではアルミニウムはとけませんでした」とあります。アルミニウムは塩酸にはとけますが炭酸水にはとけません。よって、Bはうすい塩酸です。

問3 難易度:★★☆☆☆

① 〇 → 塩酸では泡を出して解けますが、炭酸水は何も起こりません。
② 〇 → 石灰水を加えると、炭酸水は白く濁りますが塩酸は変わりません。
③ × → フェノールフタレイン液はアルカリ性で赤くなります。
④ 〇 →炭酸水をあためると二酸化炭素の泡が出ますが、塩酸は目立った変化はありません。

問4 難易度:★★★☆☆

【実験1】 で「D、Eの水よう液はどちらのリトマス紙も変化させませんでした」とあります。 よって、Dは中性の水よう液であり、食塩水か砂糖水のどちらかということになります。

また【実験3】で「Dの水よう液では水が蒸発した後、焦げた黒い固体が残りました」とあります。これは砂糖水の性質ですね。

問5 難易度:★★☆☆☆

【実験1】 「D、Eの水よう液はどちらのリトマ ス紙も変化させませんでした」より、 Eも中性の水よう液であり、Dが砂糖水なのでEは食塩水ということになります。

【実験3】「Eの水よう液では水が蒸発した後、白い固体が残りました」という実験結果とも合致しますね。

問6 難易度:★★☆☆☆

水よう液の重さが250gで、蒸発させたあとに残った白い固体の重さが35gなので、その水よう液の濃度は、

35÷250×100=14(%)

問7 難易度:★★★☆☆

砂糖水が他の水よう液(うすい塩酸、アンモニア水、食塩水、炭酸水)と異なるのは、電気を通さないことです。

【解答】
電気を通すかどうかを調べ、電気を通さないのが砂糖水である。

「夏、森林の中に置き、数時間後に虫が集まっているのが砂糖水」という答えも考えられますね。私が採点者なら正解にしますが、入試に出た時には「電気を通す」で答えましょう(笑)。

 

3 昆虫

昆虫に関する問題です。あまり考える必要のない、基本的な知識を問う問題ばかりです。

問1 難易度:★☆☆☆☆

セミの食べ物は樹液で、針のようにとがった長い口吻を木に突き刺して吸います。

セミは広いグループで見るとカメムシの仲間で、この仲間は針状の口吻が特徴です。

問2 難易度:★★☆☆☆

カマキリは卵、ミノガは幼虫(みのにくるまった形)、モンシロチョウはサナギ、テントウムシは成虫で冬越しをします。よって、③が正解です。

ミノガのオスははねをもちますが、メスは成虫になってもはねが生えず、イモムシのような形をしているかわったガです。

問3 難易度:★☆☆☆☆

昆虫の特徴として、頭部に左右2本の触角をもち、胸部に3対6本のあしをもつことが挙げられます。

よって、図のようにかきこめば良いことになります。

問4 難易度:★☆☆☆☆

トンボの幼虫は、一般的にヤゴと呼ばれます。

問5 難易度:★★☆☆☆

サナギにならない昆虫は「不完全変態」といい、幼虫と成虫がよく似たかたちをしています。バッタやカマキリ、セミ、カマキリ、トンボなどがこれにあたります。

それに対し、サナギになる昆虫は「完全変態」といいます。イモムシのような見た目の幼虫から、サナギを経て全くちがう形の成虫になるほか、食べ物が変わるなどの特徴があります。チョウやガのなかま、カブトムシなどの甲虫類、ハチやハエなどがこれにあたります。

問6 難易度:★☆☆☆☆

本文中でダンゴムシだけは昆虫ではありません。足が明らかに6本より多い(実際には12本)ですし、身体の節がたくさんありますよね。

ダンゴムシは落ち葉や生き物の死骸などを微生物が分解しやすい形にする「分解者」として、豊かな土壌を作るのに重要な役割を果たしています。

 

4 冬の星空

冬の星空に関する問題です。設問は基礎~標準レベルで、知識や考え方がバランスよく問われた良問です。

問1 難易度:★☆☆☆☆

太陽のように自分で光を出す天体をこう星(恒星)といいます

問2 難易度:★☆☆☆☆

乙女座にある1等星はスピカですね。地球から見える夜空のこう星の中でもっとも明るいのはシリウスで、さそり座にある赤色の1等星はアンタレスです。

よって、②が正解です。

問3 難易度:★★☆☆☆

「1等級違うと明るさは2.5倍ずつ違います」とあります。1等星と4等星は3等級違うので、

2.5×2.5×2.5=15.625≒16(倍)

問4 難易度:★★★☆☆

(1)「光年」は距離をあらわす単位であり、1年間かけて進む距離が1光年です。

(2)「地球から約128光年離れている5等星」を32光年まで近づけると、距離は4分の1になりますね。「星から地球までの距離が2倍になると地球から見た星の明るさは4分の1になります」とありますから、逆に距離が半分になると明るさが4倍になり、4分の1になると16倍になります。

問3より、明るさが16倍になると3等級変わりますから、5等星は2等星になります。

よって、①の2等星が正解です。

問5 難易度:★★☆☆☆

こう星の色は表面の温度によって決まると言われています。

問6 難易度:★★☆☆☆

冬の大三角は、以下の3つの1等星を結んだもので、正三角形に近い形をしているのが特徴です。

・おおいぬ座のシリウス
・こいぬ座のプロキオン
・オリオン座のベテルギウス

冬の大三角

 

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