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神戸大学入試解説│2020年度 化学 大問Ⅳ

神戸大学過去問 2020年度 化学 大問Ⅳ

問題文をそのまま掲載すると著作権上問題となる可能性があるため、神戸大学のサイトにあるの過去問PDFを見てください。そしてまず自分で解いてみてから以下の解説を読んでください。

神戸大学の化学過去問(2020年度)「酵素反応の速度(ミカエリス・メンテン式)」に関する問題です。難関大(旧帝大や神戸大学レベル)の化学対策をしていると一度は出会うテーマですね。正直なところ、初見で問5と問7の設問に回答するのは困難です。理系難関大を狙う受験生はこの機会にしっかり学んでおきましょう。

ポイントは、問5は反応速度式V=…の逆数を取ること、問7は基質濃度[S]にKmを代入することです。

問1 難易度:★★☆☆☆

アミノ酸のもつカルボキシ基は酸性、アミノ基は塩基性を示す官能基です。

アミノ酸は中性水溶液中で電離すると、分子内に正と負の両電荷をもつ双性イオンとなります。

タンパク質のように、鎖状高分子をつくるアミド結合を特にペプチド結合といいます。

問2 難易度:★★☆☆☆

中性水溶液中での正味の電荷は、アミノ酸の側鎖の種類によって異なります。

アラニンの構造式
アラニン
グルタミン酸の構造式
グルタミン酸
リシンの構造式
リシン

グルタミン酸は側鎖にカルボキシ基、リシンはアミノ基を含んでいます。アラニンの側鎖はメチル基です。

よって、中性水溶液中での正味の電荷を価数で表すと、その値はアラニンでは0、グルタミン酸では-1、リシンでは +1となります。

問3 難易度:★★☆☆☆

アミノ基をもつ物質と無水酢酸を反応させると脱水縮合し、アセチル化が起こります。

アセチル化の化学反応式

問4 難易度:★★★☆☆

問3より、アミノ基が1個アセチル化されると、水素原子(-H)がアセチル基(-COCH₃)に置き換わるので、分子量の増加は、

(12×2+16×1+1×3)-(1×1)=42

シトクロムcに無水酢酸を作用させアセチル化させると、分子量が13160-12360=800増加することから、シトクロムcに含まれるアミノ基の数は、800÷42≒19(個)

問5 難易度:★★★★☆

(2)式について、両辺の逆数を取ると、

\frac{1}{V}\frac{Km+[S]}{k₃[E]t[S]}\frac{Km}{k₃[E]t[S]}\frac{1}{k₃[E]t}

Km、k₃、[E]tが一定なので、 \frac{1}{V}の値は[S]の値でのみ変化します。[S]が大きければ大きいほど\frac{Km}{k₃[E]t[S]} はゼロに近づきます。このとき、\frac{1}{V}の値は最も小さく、Vの値は最も大きくなることになります。

つまり、[S]=∞のとき、\frac{1}{Vmax}=0+ \frac{1}{k₃[E]t}\frac{1}{k₃[E]t}

よって、Vmax=k₃[E]t

問6 難易度:★★☆☆☆

値を代入するだけです。

Km=\frac{k₂+k₃}{k₁}
\frac{1000/s+10(/s)}{5.05×10⁸L/(mol・s)}
\frac{1010}{5.05×10⁸}
=2.0×10⁻⁶ mol/L

問7 難易度:★★★★☆

Vmax=k₃[E]t
    =10(/s)× 1.0×10⁻⁶(mol/L)
    =1.0×10⁻⁵(mol/L・s)

よって、グラフは下のようになります。

V=\frac{k₃[E]t[S]}{Km+[S]}

これにKm=[S]を代入すると、V=\frac{k₃[E]t}{2}\frac{Vmax}{2}

つまり、基質濃度がKmの値と等しいとき、反応速度はVmaxの半分になります。

よって、以下の条件を満たすようにグラフをかきます。
・基質濃度が0のときは反応速度0
・基質濃度がKm=2.0×10⁻⁶ mol/Lのとき反応速度は\frac{Vmax}{2}
・グラフは直線V=Vmax=1.0×10⁻⁵(mol/L・s) にだんだん近づく曲線

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