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神戸大学入試解説│2020年度 生物 大問Ⅲ

神戸大学過去問 2020年度 生物 大問Ⅲ

問題文をそのまま掲載すると著作権上問題となる可能性があるため、神戸大学のサイトにある過去問PDFを見てください。そしてまず自分で解いてみてから以下の解説を読んでください。

神戸大学の生物過去問(2020年度)「遺伝子頻度と遺伝子発現」に関する問題です。ハーディ・ワインベルグの法則は、共通テストでも2次試験でも頻出テーマです。とくに前提とする5つの条件はしっかり覚えておきましょう。記述の問題は基本的な内容を問う問題で、落ち着いて必要な情報をまとめれば回答できるでしょう。

問1 難易度:★★☆☆☆

「雑種第一代(F1)においては、すべての個体が、葉でSを合成しなかった」とありますから遺伝子aは劣性で、実際に葉でSを合成する個体は遺伝子型aaであることが分かります。また「700個体を採集したところ、252個体が葉でSを合成していた」とありますので、aaの割合は252÷700=0.36となります。

「2年目の調査でのSを合成する表現型の頻度は遺伝子平衡が成立時に期待された表現型の頻度と一致した」とありますから、遺伝子頻度は変わらず、ハーディ・ワインベルグの法則が成立していると考えて良いでしょう。

対立遺伝子aの遺伝子頻度をpとすると、p²=0.36だからp=0.6。

よって、遺伝子頻度はAが0.4でaが0.6

2年目に期待される葉でSを合成する表現型の頻度は、1年目と同じく0.36であると推定されます。

問2 難易度:★★☆☆☆

ハーディワインベルグの法則が成立する前提条件5つは覚えておかなければなりません。
① 集団内の個体数が大きい。
② 集団への個体の移入・移出がない。
③ 集団内で個体が自由に交雑できる(性選択がない)。
④ 集団内で突然変異が起こらない。
⑤ 個体間で生存力や繁殖力に差がなく自然選択が働かない。

「Zの葉に感染する外来の病原菌が大発生し(中略)葉でSを合成する個体に寄生し、葉でSを合成する個体全てを枯らしてしまった」とあります。よって、葉でSを合成する個体は次代に子孫を残す機会を失ったことになります。つまり⑤の「個体間で生存力や繁殖力に差がなく自然選択が働かない」という前提が崩れてしまったのです。

【解答】
生存力や繁殖力に差がなく自然選択が働かないという前提。(27字)

問3 難易度:★★☆☆☆

2年目に病原菌の影響で、葉でSを合成する個体は全滅しました。しかし、葉でSを合成しない個体であっても、遺伝子型Aaのヘテロ接合の個体が多くいますので、対立遺伝子aは維持されています。

このヘテロ接合体どうしでの交雑や自家受粉により、次世代では再び遺伝子型aaの個体、つまり葉でSを合成する個体が生まれることになります。

【解答】
残った遺伝子型Aaのヘテロ接合体どうしの交雑や自家受粉により葉でSを合成する個体が再び生まれたから。(50字)

問4 難易度:★★★☆☆

表1より、BBCcやBbCCがBBCCと同じ表現型となることから、野生型の対立遺伝子BとCは、変異型bとcに対して優性であることが分かります。調節遺伝子ⅠとⅡの発現の有無とS合成の関係を表にすると、以下のようになります。

BCBcbCbc
調節遺伝子Ⅰの発現××
調節遺伝子Ⅱの発現××
葉でのS合成××
根のでS合成×

この表より、調節遺伝子Ⅱより合成される調節タンパク質Ⅱが葉におけるタンパク質Sの合成を抑制しており、遺伝子Xが発現したときの特徴と一致することが分かります。

問5 難易度:★★★☆☆

まず、問4より、調節タンパク質Ⅱは葉におけるタンパク質Sの合成を抑制するので、選択肢は(イ)か(ウ)にしぼられますね。

調節タンパク質Ⅰが調節遺伝子Ⅱを活性化していたとすると、調節遺伝子Ⅰだけの機能が失われたbCでは調節遺伝子Ⅱのはたらきが弱まり、Sの合成は促進されるはずです。でも実際にはbCでは葉でも根でもSは合成されていませんので矛盾が生じます。

調節タンパク質Ⅰが調節遺伝子Ⅱを抑制していたとすると、調節遺伝子Ⅰだけの機能が失われたbCでは調節遺伝子Ⅱのはたらきが強まり、Sの合成は抑制されます。実際に、bCでは葉でも根でもSは合成されていないので、矛盾はありません。よって、(イ)が正解です。

(イ)の図の関係性から、調節遺伝子Ⅰが発現すると結果的にSが合成され、 調節遺伝子Ⅰが発現しないと、結果的にSが合成しないことが分かります。よって、野生型においては根で調節遺伝子Ⅰが発現し、葉では発現しないことが分かります。

【解答】
根:調節遺伝子Ⅰが発現して調節タンパク質Ⅰ合成され、調節遺伝子Ⅱの遺伝子発現を抑制する。その結果、遺伝子Sの遺伝子発現が活性化され、Sが合成される。(72字)
葉:調節遺伝子Ⅰが発現しないので調節タンパク質Ⅰが合成されない。その結果、調節遺伝子Ⅱが発現して調節タンパク質Ⅱが合成され、遺伝子Sの遺伝子発現が抑制される。(77字)

 

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