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神戸大学入試解説│2019年度 化学 大問Ⅱ

神戸大学過去問 2019年度 化学 大問Ⅱ

問題文をそのまま掲載すると著作権上問題となる可能性があるため、神戸大学のサイトにある過去問PDFを見てください。そしてまず自分で解いてみてから以下の解説を読んでください。

神戸大学の化学過去問(2019年度)「電離平衡と緩衝液」についての問題です。計算量は多いですが、うまく誘導に乗れば、特に難しいことを考えることもなく全問正解可能です。

問1 難易度:★☆☆☆☆

リンの同素体としては2種類が有名です。黄リンは反応性に富み、空気中では自然発火するため、中に保存します。一方、赤リンは黄リンに比べて反応性が乏しいのが特徴です。リンを空気中で燃焼させると十酸化四リン(P₄O₁₀)が生成します。この十酸化四リンに水を加えて加熱するとリン酸が生成します。

問2 難易度:★★★★☆

(A) 0.10mol/Lのリン酸10mLを純水で100mLに希釈しているので、そこには含まれるリン酸の物質量は、

0.10×\frac{10}{1000}=1.0×10⁻³(mol)

第1中和点までに必要な水酸化ナトリウムも1.0×10⁻³molなので、必要な0.10mol/L水酸化ナトリウム水溶液の体積は、10mLとなります。

(B)(8)式より、[H⁺]²=K₁K₂だから、[H⁺]=\sqrt{K₁K₂}なので、

pH=-log[H⁺]
  =-log\sqrt{K₁K₂}
  =-\frac{1}{2}(logK₁+logK₂)
  =4.65
  ≒4.7

(C)(A)と同様に考えて、第2中和点までに必要な0.10mol/L水酸化ナトリウム水溶液の体積は、10mLとなります。

(D) 溶液1において塩が完全に電離し、(3)式の平衡が成り立っているとき、

[H⁺]= K₂・\frac{[H₂PO₄⁻ ]}{[HPO₄²⁻] }

この溶液1では\frac{[H₂PO₄⁻ ]}{[HPO₄²⁻] } =1とみなせるので、[H⁺]= K₂

pH=-log[H⁺]
  =-logK₂
  =7.2

どうして溶液1において\frac{[H₂PO₄⁻ ]}{[HPO₄²⁻] } =1 とみなせるのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

K₂=\frac{[H⁺][HPO₄²⁻ ]}{[H₂PO₄⁻]}=6.3×10⁻⁸<1.0×10⁻⁷

なので、 リン酸水素二ナトリウム(Na₂HPO₄)とリン酸二水素ナトリウム(NaH₂PO₄) を等量、純水に溶かした場合、(3)の反応は左に進み(つまりH⁺が減少して塩基性に偏り)平衡に至ります。

このときの各物質の変化量x(mol/L)は、反応が進む前の純水の水素イオン濃度10×10⁻⁷(mol/L)よりも小さくなります。これは塩の濃度1.0×10⁻²(mol/L)と比較して十分に小さいといえます。

よって、

\frac{[H₂PO₄⁻ ]}{[HPO₄²⁻] } \frac{ 1.0×10⁻² +x}{ 1.0×10⁻² -x }≒1

とみなせます。

(E) 溶液1において、[H₂PO₄⁻ ]=[HPO₄²⁻]=1.0×10⁻²(mol/L)とみなせます。

HPO₄²⁻+HCl→H₂PO₄⁻+Cl⁻

の反応が加えた塩酸のぶんだけ進むとすると、反応後のイオン濃度は、

[HPO₄²⁻]=1.0×10⁻² -1.0×\frac{0.2}{1000}÷\frac{100}{1000}=0.8×10⁻²

(F)[H₂PO₄⁻ ]=1.0×10⁻² +1.0×\frac{0.2}{1000}÷\frac{100}{1000}=1.2×10⁻²

(G) \frac{[H₂PO₄⁻ ]}{[HPO₄²⁻] }\frac{3}{2} なので、

pH=-log[H⁺]
  =-log K₂・\frac{[H₂PO₄⁻ ]}{[HPO₄²⁻]}
  =-log K₂ -log\frac{3}{2}
  =7.2-0.48+0.30
  =7.02≒7.0

問3 難易度:★★☆☆☆

リン酸(中程度の強さの酸)から、第1中和点X(pH4.7)に向かっていくので、pH3.1~4.4を変色域にもつメチルオレンジを指示薬に選びます。

このとき、メチルオレンジの色はから黄色に変化します。

 

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