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神戸大学入試解説│2019年度 生物 大問Ⅱ

神戸大学過去問 2019年度 生物 大問Ⅱ

問題文をそのまま掲載すると著作権上問題となる可能性があるため、神戸大学サイトにある過去問PDFを見てください。そしてまず自分で解いてみてから以下の解説を読んでください。

神戸大学の生物過去問(2019年度)「光合成」に関する問題です。問3は化学の知識が必要な計算問題です。問4はかなりマニアックな知識を問う問題、問5はグラフの意味を正しく理解したうえでの論述が必要です。全問正解するのはかなり難しい問題と言えるでしょう。

問1 難易度:★★☆☆☆

(ア)(イ)光合成反応は、チラコイドで行われる光エネルギーを化学エネルギーに変換する段階と、ストロマで行われる化学エネルギーを利用して無機物であるCO₂と水から有機物を合成する段階に分けることができます。

(ウ)主要な光合成色素としてはクロロフィルが知られています。

問2 難易度:★★☆☆☆

暗条件に葉を置くと、光合成を行わず呼吸を行うので、供給する空気と比べててCO₂濃度は高くなります。よって暗条件のグラフは(ア)。

光照射を開始すると、光合成が始まるので、CO₂濃度は徐々に下がっていきます。よって光照射後のグラフは(エ)。

問3 難易度:★★★☆☆

まず、1時間で吸収されるCO₂の質量について考えてみましょう。

暗条件での給気口(=空気)と排気口のCO₂濃度の差が0.00024%なので、
(暗条件での排気口のCO₂濃度)=(空気中のCO₂濃度)+0.00024%

光照射を開始してから光合成速度が十分に安定した後の給気口と排気口のCO₂濃度の差が0.00200%なので、
(光照射中のCO₂濃度)=(空気中のCO₂濃度)-0.002%

よって、暗条件での排気口のCO₂濃度と光照射中のCO₂濃度の差は、
0.00024%+0.002%=0.00224%

このCO₂濃度を100Lの空気中に含まれる体積に換算すると、
100×\frac{0.00224}{100}=0.00224Lにあたります。

0℃、1気圧において、1molの気体は22.4Lの体積となりますので、
0.00224LのCO₂は、0.00224÷22.4=0.000100(mol)

CO₂の分子量は44なので、その質量は、
0.0001×44= 0.0044(g) =4.40(mg)

これは葉面積20㎠におけるCO₂吸収量なので、100㎠に換算すると、

4.4× \frac{100}{20}=22.0(mgCO₂/100㎠葉面積/1時間)

問4 難易度:★★★★★

フォトトロピンは、青色光に反応して正の光屈性(光に向かって茎を曲げる)にかかわっていたり、気孔の開口を促進するなど、光合成を促進させるはたらきがあります。また、葉緑体定位運動(光の方向によって葉緑体が細胞内での位置を変える)にもかかわっています。

【作用解答例1】
気孔の開口を促進する。(11字)

【作用解答例2】
正の光屈性にかかわる。(11字)

【作用解答例3】
葉緑体定位運動にかかわる。(13字)

問5 難易度:★★★★

まず、問われているのは「ルビスコとGAPDHのどちらが光合成(速度)の主要な限定要因となっていると考えられるか」です。ここでいう「限定要因」とはどういう意味でしょうか。

たとえば、あなたがお寿司屋さんの板前さんだとしましょう。お寿司をつくるのにはお魚とお米が必要で、お店には充分な量のお米の在庫があり、魚は毎日その日に使う量を仕入れることとします。

お寿司屋さんのはなし

ある日、あなたのお店にネズミの大群が押し寄せ、お米の半分を食べられてしまいました。でもお米の在庫は十分なので、出せるお寿司の量に影響はありません。

またある日、あなたのお店に野良猫が忍び込み、仕入れたお魚の半分を食べられてしまいました。するとその日出せるお寿司の量はいつもの半分になってしまいます。

つまり、どれだけのお寿司を出せるかを決めるのは「お魚の量」です。これが限定要因です。この場合「お寿司の限定要因はお魚」ということができます。

ルビスコとGAPDHの話に戻りましょう。グラフを見ると、遺伝子組み換えによって発現量を通常の50%にしたとき、GAPDHでは変化がありませんが、ルビスコの場合は光合成速度がほぼ半分になっています。つまり、GAPDHは必要量に対して過剰に存在しており、ルビスコが限定要因となっているということです。

【解答例】
GADPHは発現量が50%になっても光合成速度が変化しないので過剰に存在している。一方、ルビスコ発現量は光合成速度と比例しているので、限定要因はルビスコである。(80字)

 

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