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神戸大学入試解説│2018年度 化学 大問Ⅲ

神戸大学過去問 2018年度 化学 大問Ⅲ

問題文をそのまま掲載すると著作権上問題となる可能性があるため、神戸大学のサイトにある過去問PDFを見てください。そしてまず自分で解いてみてから以下の解説を読んでください。

神戸大学の化学過去問(2018年度)「有機化合物の構造決定」に関する問題です。「脂環式化合物」や「環状エーテル化合物」など教科書には載っていない用語が説明なく使われていますので、意味を推定しながら解く必要があります。設問自体は標準的な難易度でしょう。

問1 難易度:★★★☆☆

まずC₅H₁₀Oについて、Cの原子数をnとするとHの原子数は2nなので、不飽和度は1です。

(ア)脂環式化合物は、その名前から環状構造が炭素および水素からなる化合物だと考えられます。これらの化合物は、環状構造をもっていることで不飽和度が1上昇していますので、鎖状構造の部分には不飽和度が上昇するような官能基(アルデヒド基やケトン基など)はもたないことがわかります。

よって、(ア)は「アルコール」であるとわかります。

(イ)(ウ)環状エーテル化合物群は環状構造中にエーテル基(-C-O-C-)をもつものだと考えられます。可能な環員数を考えると、最小は員環で、最大は5個全ての炭素と1個の酸素を使った員環だと分かります。

(エ)(オ)炭素-酸素二重結合をもつ化合物はカルボニル基をもちます。その炭素原子に結合する炭素原子の数が1個なら(つまり鎖状構造の端っこにあれば)アルデヒド、2個なら(つまり鎖状構造の途中なら)ケトンとなります。

これらの化合物のうち、不斉炭素原子をもつのは下図の化合物だけなので、(エ)が「アルデヒド」、(オ)が「ケトン」だと分かります。

問2 難易度:★★☆☆☆

脂環式化合物群なので、環状構造は炭素のみでつくられます。炭素4個による4員環構造とエーテル基をもつのは下図の化合物のみです。

問3 難易度:★★★☆☆

環状エーテル化合物群のうち、環員数が4のものを考えます。まず環状構造自体は一通りしかありません。そこには炭素が3個使われることになりますので、残り2個の炭素をどうくっつくけるかのバリエーションを考えればよいことになります。ただし、不斉炭素原子をもつものは除外します。

まず、メチル基を2つくっつける場合は下図の2通りです。

また、エチル基を1つくっつける場合は下図の2通りですが、このうち左の化合物は不斉炭素原子をもってしまうので、除外します。

問4 難易度:★★★★☆

炭素-炭素間二重結合をもつ鎖式化合物のうち、不斉炭素原子をもつものを考えます。こういった問題は、不斉炭素原子を中心に、4つの異なる原子団をくっつけていく考え方で解きます。

【化合物B】
「水素を付加反応により化合物Bは不斉炭素原子が消失する」が最大のヒントです。つまり、水素を付加し二重結合を単結合に還元すると、同一の原子団になる2つの原子団が不斉炭素原子に結合していることになります。
炭素数の制限から考えて、その2つの原子団は「-C₂H₅」と「-CH=CH₂」です。すると、中心となる不斉炭素原子を加えると炭素数5を使い切ってしまうので、残りの原子団は「-H」と「-OH」しかありえません。よって、化合物Bの構造式は下図のようになります。ヒドロキシ基をもちますので、「金属ナトリウムと反応して水素を発生する」という条件にも当てはまります。

【化合物C】
「金属ナトリウムを加えても水素を発生しない」ことから、化合物Cはヒドロキシ基をもたず、酸素原子はエーテル基につかわれることが分かります。エーテル基を含む原子団として考えられるものをリストアップしていくと 「-O-CH₃」「-CH₂-O-CH₃」「-O-CH=CH₂」などが考えられます。

ただ、使えるCの数は全部で5個と少ないので、エーテル基を含む原子団では炭素数を節約し「-O-CH₃」に決めます。さらに炭素原子の節約のために原子団の1つを「-H」とすると、残りは C3個、H7個です。残り2つの原子団のうち1つに炭素-炭素間二重結合をもたせればよいので、「-CH=CH₂」「-CH₃」となります。以上より、化合物Cは下図の通りです。

問5 難易度:★★☆☆☆

問1(エ)でも示したように、化合物Dは下図の通りです。

アルデヒド

 

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