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神戸大学入試解説│2018年度 化学 大問Ⅱ

神戸大学過去問 2018年度 化学 大問Ⅱ

問題文をそのまま掲載すると著作権上問題となる可能性があるため、神戸大学のサイトにある過去問PDFを見てください。そしてまず自分で解いてみてから以下の解説を読んでください。

神戸大学の化学過去問(2018年度)「沈殿の生成と濃度決定」に関する問題です。無機化学の標準的な知識が問われ、計算量もありますので、力試しにもってこいの良問です。

問1 難易度:★★★☆☆

何個正解があるか分からないので、ひとつひとつ選択肢を吟味していきます。

(ア)白金Ptと銀Agでは銀の方がイオン化傾向が大きいので、樹上結晶が析出することはありません。×

(イ)Ag⁺が存在するところに硫化物イオンS²⁻を加えると硫化銀Ag₂Sの黒色沈殿を生じます。〇

(ウ) Ag⁺が存在するところに塩化物イオンCl⁻を加えると塩化銀AgClの白色沈殿が生じますが、熱水には溶けません。熱水に溶けるのは塩化鉛PbCl₂でしたね。 ×

(エ) Ag⁺が存在するところに塩基を加えると酸化銀Ag₂Oの褐色沈殿が生じます。アンモニアをさらに加えると、錯イオンであるジアンミン銀(Ⅰ)イオン[Ag(NH₃)]⁺を生じて溶解します。 〇

(オ)ハロゲン化銀のうち難溶性のものは塩化銀AgClのみです。×

(カ)硝酸銀AgNO₃水溶液を電気分解すると、陰極では銀Agの単体が析出し、陽極では気体(酸素O₂)が発生します。〇

問2 難易度:★★☆☆☆

考えられる沈殿は塩化銀AgCl(白色)とクロム酸銀(Ⅰ)Ag₂CrO₄(赤褐色・暗赤色)です。本文に「B液を13.5mL滴下した時にうすい暗赤色のAg₂CrO₄の沈殿が生成」とありますので、一滴加えたときに生成したのは塩化銀だと分かります。

よって、色は白です。

問3 難易度:★★★☆☆

②5.00×10⁻²mol/LのAgNO₃水溶液を3.00×10⁻²mLを15mLのA液に加えるので、滴下による体積変化を無視でき、かつ沈殿ができなかったとするとAg⁺の濃度は

5.00×10⁻²×\frac{3.00×10⁻²}{1000}÷\frac{15}{1000}1.00×10⁻⁴(mol/L)

③沈殿を生じる前の濃度が塩化銀の溶解度積Ksp(AgCl)を超えているので、

[Ag⁺][Cl⁻]>1.80×10⁻¹⁰ だから,
[Cl⁻]>1.80×10⁻¹⁰÷(1.00×10⁻⁴)=1.80×10⁻⁶(mol/L)

④[Ag⁺]=[Cl⁻]かつ、
  Ksp(AgCl)=[Ag⁺][Cl⁻]=1.80×10⁻¹⁰より、
  [Cl⁻]²=1.80×10⁻¹⁰ なので、

 [Cl⁻]= \footnotesize\sqrt{1.80×10⁻¹⁰}1.34×10⁻⁵(mol/L)

⑤[Ag⁺]=[Cl⁻]=1.34×10⁻⁵(mol/L)

⑥加えたクロム酸カリウムK₂CrO₄は2.85×10⁻⁴molであるから、Ag₂CrO₄の沈殿が生成しはじめるときのクロム酸イオン濃度は、

[CrO₄²⁻]=2.85×10⁻⁴÷\frac{15+13.5}{1000}=1.00×10⁻²(mol/L)

よって、クロム酸銀(Ⅰ)Ag₂CrO₄の沈殿が生成しはじめるときの銀イオン濃度は、

[Ag⁺]²[CrO₄²⁻]=4.00×10⁻¹²
[Ag⁺]²=\frac{4.00×10⁻¹²}{1.00×10⁻²}=4.00×10⁻¹⁰

よって、[Ag⁺]=\footnotesize\sqrt{4.00×10⁻¹⁰}2.00×10⁻⁵(mol/L)

問4 難易度:★☆☆☆☆

1.34×10⁻⁵< 2.00×10⁻⁵だから、⑥の値は⑤の値よりも大きくなります。

問5 難易度:★★★☆☆

B液13.5mL中に含まれる銀イオンの物質量は、

5.00×10⁻²×\frac{13.5}{1000}=6.75×10⁻⁴(mol)

本文の通り、ここでAgClの沈殿生成が完了したと考えると、A液15.0mLにはこれと等しい物質量の塩化物イオン、すなわち同じ物質量の塩化ナトリウムが含まれていることになります。

NaCl=58.5なので、その質量は、58.5×6.75×10⁻⁴(g)

このA液はしょう油を50倍にうすめたものなので、うすめる前のしょう油15mLに含まれる塩化ナトリウムの質量はこの50倍です。

58.5×6.75×10⁻⁴ ×50=1.974375≒1.97(g)

 

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