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兵庫医科大学(西宮市)入試解説│2021年度 生物 問3

西宮の家庭教師ダイアログによる過去問解説。今回は西宮市にキャンパスがある兵庫医科大学の過去問です。

兵庫医科大学の生物過去問(2021年度)問3は「窒素代謝」に関する問題です。(4)の記述は求められる知識もやや発展的で難問にあたるかもしれません。

(1)難易度:★☆☆☆☆

生物のからだに含まれる有機窒素化合物としては、アミノ酸(タンパク質)やヌクレオチド(核酸)などがあります。

よって、(ア)(イ)はアミノ酸、ヌクレオチド(順不同)です。

植物が利用する無機窒素化合物としては硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオンがあります。

硝酸イオン(NO₃⁻)を還元すると亜硝酸イオン(NO₂⁻)、亜硝酸イオンを還元するとアンモニウムイオン(NH⁺)となります。

このあたりは化学を学んでいるとすっきりわかるのですが、未履修だと分からないですよね。

酸素原子(O)がくっついたり、水素原子(H)が取れると「酸化」
酸素原子(O)が取れたり、水素原子(H)がくっつくと「還元」

と覚えておきましょう。

よって、(ウ)はアンモニウムイオン、(エ)は亜硝酸イオン、(オ)は硝酸イオンです。

(2)難易度:★★☆☆☆

(ウ)アンモニウムイオンは植物がアミノ酸をつくるうえで重要な材料となります。

アンモニウムイオンはグルタミン酸と結合してグルタミンとなり、そのグルタミンはクエン酸回路の中間物質であるα-ケトグルタル酸と反応し、2個のグルタミン酸になります。

こうしてグルタミン酸を増やし、そのアミノ基をほかの有機酸に受け渡すことにより、アミノ酸をつくります。

(3)難易度:★★☆☆☆

アンモニウムイオンとグルタミン酸が結合してグルタミンを作る反応を触媒する酵素はグルタミン合成酵素です。

グルタミンがと反応し、2個のグルタミン酸をつくる反応を触媒する酵素はグルタミン酸合成酵素です。

グルタミン酸をのアミノ基をほかの有機酸に受け渡しアミノ酸をつくる反応を触媒する酵素はアミノ基転移酵素です。

(4)難易度:★★★★☆

動物の体内で代謝によりうまれてしまう不要物質アンモニアはその濃度が高いと神経細胞などに不調が現れます。グルタミン合成酵素のはたらきにより、アンモニウムイオンをほかの物質に変えるということは、アンモニアの濃度を下げられるということです。

また、アンモニアは肝臓において尿素に変えられますが、肝臓に運ばれるまでには時間がかかりますから、組織においてひとまずグルタミンに変え、細胞への悪影響を最小限にしているといえます。

(解答例)組織で発生した有毒なアンモニアを肝臓で解毒する前段階として、各組織でいったんグルタミンへ変換し濃度を下げる役割。(56字)

また、グルタミン合成酵素はグルタミンの濃度調整にもかかわっています。

グルタミン酸は神経伝達物質でもありましたね。シナプス間に放出されたグルタミン酸は、放置しておくと興奮を伝達し続けてしまったり、もれ出してほかのシナプスに影響を与えてしまったりします。

神経細胞のまわりには、グリア細胞というサポート役の細胞がいます。グリア細胞の役割の一つとして、放出された神経伝達物質を取り込み、長時間シナプスに留まるのを防ぎ、酵素で代謝し、濃度調整をするはたらきがあります。グルタミンもこのはたらきによって取り込まれ、グルタミン合成酵素により代謝されているのです。

(別解例)シナプス間に神経伝達物質として放出されたグルタミンをグリア細胞内でグルタミンに代謝し、濃度調整をする役割。(54字)

(5)難易度:★★☆☆☆

マメ科植物が窒素同化のために共生関係をきずいているのは根粒菌です。根粒菌は、空気中の窒素を固定してアンモニウムイオンをつくり、マメ科植物に与えています。一方、マメ科植物は、根粒菌に有機物とそのすみかを提供しています。

つまり、マメ科植物は、根粒菌の力を借りて空気中の窒素を栄養素として使うことができるということです。そのため、マメ科植物は窒素栄養素が乏しいやせた土地でも生育することができます。世界中多くの地域でマメ類が栽培され、主食として食べられている理由の一つです。

田んぼや畑などにレンゲ(正式にはゲンゲ)やクローバーが生えているのを見たことはないでしょうか。これらはマメ科植物で、雑草として放置されているわけではなく、わざと植えられていることが多いです。

作物を植えていない時期にタネをまき、成長させて窒素同化により窒素栄養素をたくさん取り込ませたところで、植物ごと土を耕してまぜ込みます。これにより、化学肥料を与えずに窒素分を田んぼや畑に供給することができるのです。

 

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