【兵庫県公立高校】入試解説2021年度 数学 過去問

今回は兵庫県公立高校入試の2021年度数学の過去問です。

1 小問集合

解説は省略します。 

2 速度と連立方程式

兵庫県公立高校入試 2021年度 数学 大問2

(兵庫県教育委員会の許可を得て掲載しています)

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

速さを使った連立方程式の問題です。グラフが与えられていますので、ここにBさんの移動のようすをかきこむと理解の助けになるでしょう。速度が変わる時点でのAB間の距離を求めるのがポイントです。

(1)難易度:★☆☆☆☆

Bさんは30分で駅から博物館についているから、

2700÷30=90(m/分)

(2)難易度:★★☆☆☆

Aさんが自転車で走った時間をa分、歩いた時間をb分とすると、

 a+b=35        …➀
 160a+60b=2700 …② ←ア

➀より、a=35-b

これを②に代入して、
5600-160b+60b=2700
100b=2900
ゆえにb=29←ウ、a=6←イ

この解は問題に適。

Aさんが自転車に乗っていた時間は6分、歩いた時間は29分。

(3)難易度:★★☆☆☆

出発してから6分後、AさんとBさんの間の距離は
(160-90)×6=420(m)

その後Aさんが歩き始めてからBさんが追いつくまでの時間は、
420÷(90-60)=14(分)

よってBさんは駅から走り始めて(6+14)分経ったときにAさんに追いつきます。その時の駅からの距離は、

90×20=1800(m)

 

3 立体図形と平面図形

(兵庫県教育委員会の許可を得て掲載しています)

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

定番の図形問題ですが、立体と平面を組み合わせている分、少し目新しく感じますね。最終設問(4)はたくさんの情報を扱いますので、ひとつずつ整理しながら計算を進めていきましょう。

(1)難易度:★☆☆☆☆

基本的な証明問題ですね。誘導に乗るだけなので、基本問題をしっかり練習できていれば正解できるでしょう。

<証明>
△ABEと△BDEにおいて、
共通な角だから、
∠AEB=∠BED…➀
直線AEは∠BACの二等分線だから、
∠BAE=∠CAE…②
弧CEに対する円周角は等しいから、
∠DBE=∠CAE…③
②、③より、∠BAE=∠DBE…④
➀、④より、2組の角がそれぞれ等しいから、
△ABE∽△BDE

よって、(ⅰ)ウ(ⅱ)カ

(2)難易度:★☆☆☆☆

大問の前半の設問で証明したことは、そのあとの問題で必ず使うと考えていいでしょう。この問題も(1)で証明した相似を使います。

△ABE∽△BDEより、
AE:BE=BE:DE
よって、DE=\frac{BE²}{AE}
AE=8cm、BE=7cmだから、
DE=\frac{49}{8} (cm)

(3)難易度:★★☆☆☆

∠BAC=120°で直線AEは∠BACの二等分線だから、
∠BAE=∠CAE =60°
弧CEに対する円周角は等しいから、
∠CBE=∠CAE=60°…⑤
弧BEに対する円周角は等しいから、
∠BCE=∠BAE=60° …⑥
⑤、⑥より、2つの角が60°だから、△BCEは正三角形である。

点Eから辺BCに垂線を下ろし、辺BCとの交点をHとおくと、点Hは辺BCを二等分する。
よってBH=\frac{7}{2}

△BEHにおいて、∠BHE=90°であるから、三平方の定理より、
BH²+EH²=BE²

ゆえに
EH²= BE² -BH²
  =49ー\frac{49}{4}
  =\frac{147}{4}

EH=\sqrt{\frac{147}{4}}
  =\frac{\sqrt{147}}{\sqrt{4}}
  =\frac{7\sqrt{3}}{2}

よって、
△BCE=\frac{1}{2}×BC×EH
    =\frac{1}{2}×7×\frac{7\sqrt{3}}{2}
    =\frac{49\sqrt{3}}{4}

(4)難易度:★★★☆☆

たくさん情報を扱いますので、一つ一つ整理していきましょう。

まず、底面となる四角形ABECの面積を出すために、△ABCの面積を出すことを目指しましょう。

DA=AE-DE
  =8-\frac{49}{8}
  =\frac{15}{8}

点Aから辺BCに垂線を下ろし、辺BCとの交点をIとおきます。

△AIDと△EHDにおいて、
∠AID=∠EHD=90°…⑦
対頂角は等しいから、
∠ADI=∠EDH…⑧
⑦、⑧より、2組の角がそれぞれ等しいから、
△AID∽△EHD

よって、AI:AD=EH:ED

AI=\frac{AD×EH}{ED}
  =\frac{15}{8} ×\frac{7\sqrt{3}}{2}÷ \frac{49}{8}
  =\frac{15\sqrt{3}}{14}

△ABC
\frac{1}{2}×BC×AI
\frac{1}{2}×7×\frac{15\sqrt{3}}{14}
\frac{15\sqrt{3}}{4}

四角形ABEC=△ABC+△BCE
       =\frac{15\sqrt{3}}{4}\frac{49\sqrt{3}}{4}
       =\scriptsize16\sqrt{3}

また、点Oは△BCEの重心であるから、
線分OE=HE×\frac{2}{3}
    =\frac{7\sqrt{3}}{3}
これは、円Oの半径であり、半球Xの半径でもあります。

ゆえに半球Xにおいて、
PO=\frac{7\sqrt{3}}{3}

四角すいPーABECの体積は
\frac{1}{3}×\scriptsize16\sqrt{3}×\frac{7\sqrt{3}}{3}
\frac{112}{3}

4 2次関数とグラフ

(兵庫県教育委員会の許可を得て掲載しています)

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

超定番の関数とグラフの問題です。(3)のような三角形の面積を二つに分けたり、面積比を高さの比に変換するテクニックは超頻出ですのでやっておいて損はないです。

(1)難易度:★☆☆☆☆

 y=\frac{8}{x}  …①
 y=ax² …②

点Aは①上の点だから、y=\frac{8}{x}にx=4を代入して、

y=\frac{8}{4}=2

よって、点Aの座標は(4,2)

点Bの座標を(x₁,y₁)とすると、原点Oが線分ABの中点だから、

\frac{x₁+4}{2}=0、 \frac{y₁+2}{2}=0

よってx₁=-4、y₁=-2だから、B(-4,-2)

(2)難易度:★☆☆☆☆

点A(4,2)は②を通るから、 y=ax² にx=4、y=2を代入して、
2=a×4²

ゆえに、a=\frac{2}{16}\frac{1}{8}

(3)難易度:★★☆☆☆

点Cからy軸に下ろした垂線とy軸との交点を点Fとします。

△OAC
=△OAD+△ODC
\frac{1}{2}×OD×4+\frac{1}{2}×OD×CF
\frac{1}{2}×OD× (4+CF)

△OBD=\frac{1}{2}×OD×4

△OAC:△OBD=3:1だから、

\frac{1}{2}×OD×(4+CF):\frac{1}{2}×OD×4=3:1

(4+CF):4=3:1
ゆえに、CF=8

よって、点Cのx座標は-8

 

 

a=\frac{1}{8}より、②:y=\frac{1}{8}

これにx=-8を代入すると、y=8だから、点C(-8,8)

xの変域-8≦x≦4におけるyの変域は右のグラフより、

0≦y≦8

(4)難易度:★★★☆☆

辺ACの長さは点Eの座標とは無関係なので、△ACEの3辺の長さの和が最小になるのは、AE+ECが最小となるときです。

x軸に関し点Aと対称なる
点A’(4,-2)をとると、

AE+EC=A’E+EC

右図のように、A’E+ECが最小となるのは、3点A’,E,Cが一直線上にあるときである。

直線A’C:y=bx+cとおく。これがA’(4,-2)とC(-8,8)をとおるから、

 -2=4b+c
  8=-8b+c

これを解くと、b=-\frac{5}{6}、c=\frac{4}{3}

よって、直線A’C:y=-\frac{5}{6}x+\frac{4}{3}

これとx軸の交点を求める。y=0を代入すると、

0=-\frac{5}{6}x+\frac{4}{3}

x=\frac{4}{3}×\frac{6}{5}
 =\frac{8}{5}

よってEのx座標は\frac{8}{5}

西宮の家庭教師ダイアログによる過去問解説。今回は兵庫県公立高校入試の過去問です。

5 場合の数と確率

(兵庫県教育委員会の許可を得て掲載しています)

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

場合の数と確率の問題です。とくにひねった設問もなく、易~標準レベルの問題です。(3)②は(平方数)×(平方数)=(平方数)を利用すると早く解けますね。

(1) 難易度:★☆☆☆☆

6枚のメダルから、2枚を選ぶ組み合わせと同じなので、

6×5÷2=15(通り)

(2)難易度:★☆☆☆☆

6枚それぞれのメダルについて、表裏の2通りが考えられるから、

2⁶=64(通り)

(3)難易度:★★☆☆☆

\sqrt{ a }が整数となるのは、aが平方数となるときです。

6枚全部が表のとき、a=1×2×4×6×8×9=3456

これを素因数分解すると、2⁷×3³となります。表が0枚のときを除くとa= 2^x×3^yと表され、aが平方数となるのはxとyが両方とも偶数になるときです。ここまで考えを整理してから問題にとりかかると楽ですね。

➀表が1枚のとき、 1,4,9の3通り。
表が2枚のとき、(1,4),(1,9),(4,9),(2,8)の4通り。

あわせて7通り。

②あえて、表の数の多い方からaが平方数になる場合の数を数えていきます。

6枚全部が表のとき、a=2⁷×3³だから平方数ではありません。

表が5枚のとき、6が裏になればx、yが1つずつ減ります。
つまり、表が(1,2,4,8,9)であれば、
a=1×2×4×8×9=2⁶×3²で平方数となります。よって1通り。

表が4枚のとき(1,2,4,8,9)の状態から平方数1,4,9のいずれか1枚を裏にすればよいことになります。
よって、(2,4,8,9),(1,2,8,9),(1,2,4,8)の3通り。

表が3枚のとき(1,2,4,8,9)から積が平方数となる2数の組(1,4),(1,9),(4,9),(2,8)のいずれかの組を裏にすればよいことになります。
よって(2,8,9),(2,4,8),(1,2,8),(1,4,9)の4通り。

表が0枚のときa=0だから平方数となります。よって1通り。

以上より、aが平方数になるのは、①とあわせて
1+3+4+4+3+1+0=16通り。

(2)よりメダルの表裏の出方の総数は64だから、
求める確率は\frac{16}{64}\frac{1}{4}

 

6 星形正n角形

兵庫県公立高校入試解説 2021年度 数学 大問6-1
兵庫県公立高校入試解説 2021年度 数学 大問6-2

(兵庫県教育委員会の許可を得て掲載しています)

西宮の家庭教師 かきた
西宮の家庭教師 かきた

「星形正n角形」という聞きなれない図形の規則性を考える問題です。 (4)は「星形正n角形ができる条件」と「星形正n角形の先端の角度のきまり方」の両方を把握しないといけないので、少し難しいかもしれません。

(1)難易度:★★☆☆☆

表を見ると、nが奇数のときに、2つおきに結んで星型正n角形ができることが分かります。よって、イ。

(2)難易度:★★☆☆☆

➀:7=2x:360が何を表しているかを考えます。7⇒360から、頂点で挟まれた小さな弧の個数の比と中心角の比が等しいことを表しているのだと分かります。中心角2xは小さな弧3つ分なので、①=3。

7×2x=3×360より、7x=540°…②

(3)難易度:★★★☆☆

(2)の比例式は、円周を7等分する点についての立てられています。7をnに置き換えてみると、中心角2xは小さな弧(n-4)個分にあたるので、

nー4:n=2x:360
2nx=360nー1440
nx=180nー720

よって、n個の角の和は(180nー720)°

(4)難易度:★★★☆☆

n等分した点をk個おきに結ぶことと(nーk)個おきに結ぶことは同じです。

たとえば図のように円周を12等分した点を結ぶ場合、点を5個おきに結ぶことと(12-5=)7個おきに結ぶことは同じですね。

円周を24等分するこの問題において、kと24ーkは同じ図形が出来上がることになります。よって、この問題では2≦k≦12とします。

また、n等分した点をk個おきに結ぶ場合、kとnに1以外の共通の約数があると、全ての点を通る前に元の点にもどってしまいます。その場合、星形n角形は作れないことになります。

以上より、星形正二十四角形は下表のとおり3種類あることがわかります。

k23456789101112
24-k2221201918171615141312
星形
n
角形

円周を24等分した点をk個おきに結んでできる円周角に対応する中心角の大きさは、
360°-360°× \frac{2k}{24}
=(360-30×k)°

よって、円周角は(360-30×k)°÷2=(180-15×k)°

これが星形正二十四角形の先端部分の角度にあたるから、kが一番大きくなるとき角度は最小となります。よって、k=11。

このとき、
(先端部分の角度)= (180-15×11)°=15°

 

 

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