夏はやっぱりスイカですよね。今年は家庭教師先のお母さまより、大きなスイカをいただきました。
甘くて、水分をしっかり含んでて、なおかつシャリシャリで、文句なしに美味しいスイカでした。ありがとうございました。
8~10kgと書いてあったので、娘とほぼ同じ重さですね。さすがに家族3人では食べきれず(娘も食べましたが、戦力としては計算できません。。)、西宮市のご近所さんにおすそ分けしました。
長野県産のスイカだそうです。スイカは寒暖差の大きな地域で甘く育つといわれています。スイカの名産地としては他に、熊本県、山形県、千葉県などがあります。大消費地の近隣県であることも特徴の一つですね。
【家庭教師の小コラム】農作物と甘さと寒暖差の関係
寒暖差が大きいと果物や野菜がおいしくなる、というのはよく聞く話ですよね。これにはいくつかの理由があります。
学びのタネ【中学校・理科】
寒暖差というのは、昼間の最高気温と夜間の最低気温の差のことです。昼間、高い気温と夏の十分な日光の中で植物は光合成を盛んに行います。昼間の気温が高い方がたくさんのでんぷんをつくることができます。夜は日光がありませんので、呼吸のみを行います。植物は高温では呼吸が盛んにおこなわれ、低温では呼吸を抑える性質があります。呼吸は体内に蓄えられたでんぷんを消費して行うので、夜の気温が低い方がでんぷんの消費を抑えることができます。
一方、果実に蓄えられる糖はでんぷんからつくられます。よって、昼間の気温が高く、夜の気温が低いと結果的に蓄えることのできるでんぷんが増え、果実に配分される糖が増えるため、甘くなるのです。
学びのタネ【高校・生物/化学】
昼間の気温が高いほど光合成に有利なことは説明済みですので、ここでは「冬の夜の寒さ」に注目します。寒暖の差が大きい地域は高地に多く、冬の夜間は気温が氷点下(0℃以下)になることも少なくありません。気温が0℃を下回ると、環境下の水も0℃を下回り始めますので、凍り始めます。
植物体内にある水も例外ではありません。植物体内の水が凍ると、いろいろな悪影響が出てきます。物質のやり取りができなくなる、代謝ができなくなる、水の体積増加により細胞・組織が破壊されるなど、その結果、植物は死んでしまいます。一部の植物は寒冷に対する防衛策として、「蓄えたでんぷんを糖に分解する」ということを行います。
これには凝固点降下が関係しています。凝固点降下は水溶液の質量モル濃度に比例し、水溶液は0℃を下回っても凍らなくなります。
でんぷんは糖に変わることで、水によく溶けるようになり、かつ分子の数(物質量)が増加します。その結果、質量モル濃度が大きくなり凝固点が下がります。つまり、でんぷんを糖に変えて体内の水に溶かし、濃度を上げることで凝固点を下げ、凍りにくくしているのです。
ヒトがそれを収穫して食べるとふだんよりも甘く感じる、ということです。でんぷん自体には甘みは少なく、糖は甘いですからね。
ちなみに、植物体内の水が凍ると、細胞・組織が破壊されるといいました。もちろんそのままだとその植物は死んでしまいます。しかし、白菜などはあえて霜が降り、野菜が凍り始めるようなタイミングを狙って収穫することがあるそうです。細胞壁や細胞膜がこわれることで、細胞内液が外に出て甘みをより感じやすいとか。死にかけの野菜の方がおいしいこともあるのですね。