はじめてのひな人形

今日は桃の節句、ひな祭りですね。

うちでも早速、ひな人形を飾りました。妻の実家より贈っていただいたものです。今まであまり興味を持ったことがないですが、かざると「おおっ!」と思いますね。壮観です。

4カ月になったばかりの娘も、じっと人形を凝視してはテンションを上げて喜んでいました。

残念ながら、我が家にはこの人形を飾って置いておくスペースがないので…リビングに飾って娘に見せて、歌を歌って、私と妻がひなあられを食べたら、早々に仕舞い込みました。

こんな立派なひな人形、できればもう少し長く飾っておきたいので、もうちょい広いおうちに引っ越したいものです。できれば西宮市内。すぐにではないですが、家探し中です。町の不動産屋さんの前を通るとチラシを凝視しちゃいますね。

【家庭教師の小コラム】ひな人形と白銀比

学びのタネ【中学校・数学】

「人形の久月」によると、ひな人形は正面から見たときに「殿は正三角形、姫は二等辺三角形」が最も美しいバランスの取れた形だそうです。今日飾った人形を正面から見ると、確かに殿は正三角形にすっきりおさまっており、姫は正三角形よりもやや横長の二等辺三角形におさまっているように見えます。二等辺三角形の形は無限に存在するので、どんな二等辺三角形かが気になります。

エクセルの図形機能を使って描いたのですが、赤い二等辺三角形は高さが5.56cm、底辺の長さが7.79cmと表示されており、「白銀比」となっています。白銀比とは、1:\sqrt{2} の比のことで、少数で表すと、1:1.4142….つまりほぼ 1:1.4です。

白銀比は「大和比(やまとひ)」とも呼ばれ、日本的な美をあらわす比率としてつかわれてきました。法隆寺の建物や平安京の街並み、彫刻などの美術品にもこの比率が多く取り入れられているそうです。おそらく、日本の伝統的な人形であるひな人形にも、その考え方が影響しているのでしょう。二人並んでいても、やはり最も美しく見せたいのはお姫様なのですね。

 

この白銀比は、私たちのごく身近なところにも使われています。それは「紙の規格」です。学校や塾などで使う教科書やノート、プリントなどはほとんどがA4かB5、大きいものでA3かB4です。それらの長方形には共通の特徴があり、それは、

「長い辺が半分になるように切ると、短い辺と長い辺の比率がもとと同じ(つまり相似な)長方形になるように設計されている」点です。設計といってもそんなに難しいことではなく、短い辺:長い辺の比が1:\sqrt{2} 、つまり白銀比の長方形を作ればよいのです。そのような紙の長い辺を半分に切ると、短い辺と長い辺の大小関係は入れ替わり、その比は、

 \frac{\sqrt{2}}{2}:1

=1:\sqrt{2}

となるため、もとの長方形と相似な長方形となります。もしかすると、古代の日本人はこの白銀比の性質に神秘的なものを感じて、ものづくりに利用していたのかもしれません。

 

参考:人形の久月(https://www.kyugetsu.com/concept/

   つながるデザイン研究所(https://tsunagaru-design.jp/archives/1371